就活を始めたものの、「自己PRがまったく書けない」「何を書けば正解なのか分からない」と手が止まってしまう方は非常に多いです。 実際、エントリーシートや面接でつまずく原因の多くは、能力不足ではなく自己PRの作り方を知らないことにあります。
この記事では、自己PRが書けずに悩んでいる方に向けて、誰でも再現できる自己PRテンプレートを3つ紹介します。 すべてオリジナル構成で、職種や経験を問わず使える形にしていますので、ぜひご自身の言葉に置き換えながら活用してください。
そもそも、なぜ自己PRが書けないのか
自己PRが書けない理由は、大きく分けて次の3つです。
- 自分にはアピールできる強みがないと思い込んでいる
- 何を評価されるのか分かっていない
- 正解を探しすぎて手が止まっている
しかし、企業が自己PRで見ているのは、特別な実績や派手な経験ではありません。 多くの場合、以下のような点を確認しています。
- どんな考え方で行動する人なのか
- 困難にどう向き合うか
- 入社後に再現性のある行動ができそうか
つまり、自己PRに必要なのは「すごさ」ではなく、考え方と行動の一貫性です。 この視点を持つだけで、自己PRは一気に書きやすくなります。
自己PRを書く前に押さえておきたい3つの前提
① 強みは「性格」ではなく「行動」で語る
「明るい性格です」「真面目です」といった表現だけでは、評価につながりません。 重要なのは、その性格がどんな行動として表れているかです。
例として、「責任感がある」という強みなら、
- どんな場面で
- どんな役割を担い
- どんな行動を取ったのか
まで書けて初めて、自己PRとして成立します。
② 結果より「過程」を重視する
就活では「全国大会優勝」や「売上〇〇万円」といった結果がなくても問題ありません。 それよりも、
- なぜその行動を取ったのか
- どんな工夫をしたのか
- うまくいかなかったときにどう改善したか
といった過程が評価されます。
③ テンプレートは「型」として使う
テンプレートは丸暗記するものではありません。 構成の型として使い、自分のエピソードを流し込むことが大切です。
テンプレ①：課題解決型（王道・迷ったらこれ）
最も汎用性が高く、多くの企業で評価されやすいのが「課題解決型」の自己PRです。
構成テンプレート
- 自分の強みを一言で述べる
- その強みが発揮された具体的な場面
- 直面した課題
- 自分なりの工夫・行動
- 結果と学び
例文
私の強みは、課題を整理し、粘り強く改善に取り組める点です。 大学時代、私は飲食店のアルバイトで新人教育を担当していました。 当初、新人スタッフの定着率が低く、短期間で辞めてしまう人が多いことが課題でした。
原因を考えた結果、業務を一度に教えすぎている点と、質問しづらい雰囲気があると感じました。 そこで、業務内容を細かく分け、1週間ごとの習得目標を設定しました。 また、自分から積極的に声をかけることで、質問しやすい環境づくりを意識しました。
その結果、新人スタッフの定着率が改善し、3か月後にはシフトを安定して回せるようになりました。 この経験から、課題を放置せず、小さな改善を積み重ねることの大切さを学びました。
テンプレ②：継続力・努力型（派手な実績がない人向け）
「特別な成果がない」「目立つ経験がない」と感じている方におすすめなのが、継続力を軸にした自己PRです。
構成テンプレート
- 継続してきたことを一言で示す
- 始めたきっかけ
- 途中で直面した困難
- 続けるための工夫
- 得られた成長
例文
私の強みは、目標に向かって継続的に努力できる点です。 大学入学後、基礎学力の不足を感じたことをきっかけに、毎日1時間の自主学習を続けてきました。
最初は成果が見えず、モチベーションが下がることもありましたが、 学習内容を記録し、小さな達成感を得られるよう工夫しました。 また、理解できなかった点は必ず翌日までに解決するルールを決めました。
その結果、専門科目の成績が安定し、自信を持って授業に臨めるようになりました。 この経験を通じて、成果が出るまで努力を続ける姿勢が身についたと感じています。
テンプレ③：チーム貢献型（協調性・コミュニケーション重視）
チームワークを重視する企業や、営業・人材業界を志望する方に向いているテンプレートです。
構成テンプレート
- 自分の役割・強み
- 所属していたチームや状況
- チーム内の課題
- 取った行動
- チームに与えた影響
例文
私の強みは、周囲を見ながら行動し、チーム全体の成果を高められる点です。 大学のゼミ活動では、意見が出にくく議論が停滞することが課題でした。
そこで私は、発言しやすい雰囲気を作るために、意見をまとめて質問する役割を担いました。 また、発言が少ないメンバーにも声をかけ、全員が参加できる環境づくりを意識しました。
その結果、ゼミ内の議論が活発になり、発表の質も向上しました。 この経験から、周囲を巻き込みながら行動することの重要性を学びました。
自己PRを仕上げるときの最終チェックポイント
- 一文が長くなりすぎていないか
- 抽象的な表現ばかりになっていないか
- 自分の行動が具体的に書かれているか
- 入社後の再現性がイメージできるか
これらを確認するだけで、自己PRの完成度は大きく変わります。
まとめ｜自己PRは「才能紹介」ではなく「行動説明」
自己PRが書けないと感じている多くの方は、自分を過小評価しています。 しかし、企業が求めているのは完璧な人材ではありません。
どんな考えで行動し、どんな姿勢で成長しようとするのか。 それを伝えることができれば、自己PRとして十分に評価されます。
今回紹介した3つのテンプレートを活用し、ぜひご自身の言葉で自己PRを完成させてみてください。
